V. H. Mair 教授からのてがみ①
V. H. Mair 教授からのてがみ②
Mair 論文
張聡東論文
「スミ・シム・SMITH」
日漢英3言語の音韻比較にとりくむ
1991年に発表した「コトダマの世界」のサブタイトルを「象形言語説の検証」としました。しかし、この検証作業は主として日本語と中国語についておこなったもので、英語音との比較は、ほんのフロクていどのものでした。
1991年に発表した「コトダマの世界」のサブタイトルを「象形言語説の検証」としました。しかし、この検証作業は主として日本語と中国語についておこなったもので、英語音との比較は、ほんのフロクていどのものでした。
「日漢2言語の音韻比較だけに適用できる仮説など、仮説の名に値しない。せめて日漢英など3言語以上の言語を比較せよ」という批判の声が多数よせられました。
わたしは自分の語学能力の限界がわかっているので、日英の音韻比較はどなたかに共同研究をお願いできたらと考えていました。しかし、そういうモノズキな方は、なかなか見つかりません。やむなく「隗ヨリ始メヨ!」 ハジをかくのは承知の上で、まともに「日漢英3言語の音韻比較作業」にとりくむことを決心しました。
批判と同時に「音韻比較には、双方の言語について、まず古代語の音形くらいは確認せよ」という助言もいただきました。
日漢英s-m音語の基本義をさぐる
1992年から{s-m音語}に取りくみ、3年連続で中国語学会で発表させていただきました。1992.10.「スム[住・澄]・シム[染・占・滲]考」中国語学会42回大会。姫路獨協大学。
Ⅴ. H. Mair教授の助言
この学会(都立大学)の直前9月、大阪の民族学博物館でひらかれた国際シナ・チベット言語学会の会場で、たまたまアメリカのⅤ. .H. Mair教授(ペンシルバニア大学、デユーク大学から交換教授として京都大学に在籍中)を紹介され、イズミから「研究発表要旨」をお渡ししました。10月にいただいた手紙で「インド・ヨーロッパ語の語源研究には、A. H. D.のフロク『インド・ヨーロッパ語の語根と派生語一覧』を利用するのが一番便利」と助言されました。あわせて、論文2編を贈られました。
この学会(都立大学)の直前9月、大阪の民族学博物館でひらかれた国際シナ・チベット言語学会の会場で、たまたまアメリカのⅤ. .H. Mair教授(ペンシルバニア大学、デユーク大学から交換教授として京都大学に在籍中)を紹介され、イズミから「研究発表要旨」をお渡ししました。10月にいただいた手紙で「インド・ヨーロッパ語の語源研究には、A. H. D.のフロク『インド・ヨーロッパ語の語根と派生語一覧』を利用するのが一番便利」と助言されました。あわせて、論文2編を贈られました。
1994.10.「スミ[炭]・シム[滲]・SMITH」中国語学会44回大会。名古屋大学。…前回発表の席で出された質問や反論に回答するとともに、Ⅴ. H. Mair教授の助言や張聡東論文に学び、三たび{s-m}音語をとりあげ、インド・ヨーロッパ語と日漢語音との対応関係をさぐりました。
「スミ・シム・SMITH」を刊行
第1部 {s-m}音語論議の経過。
第2部 {s-m}音語の背景と系譜
第3部 {s-m}音のコトバ
付表・付図・資料 A4判、148ページ。
印刷資金については、志田延義山梨大学名誉教授・石沢義文富山県日中友好協会会長・小川弘北陸経済研究所専務理事、お三方の連名で基金募集を呼びかけていただき、なんとか調達できました。600部を印刷、関係者に配布。
巻頭にかかげた「スミ・シム・SMITHのうた」の1節を紹介します。フイゴで スミ火を おこし
イシを ふかし
メロメロに とかし
スミを イシに スミこませ
シミこませ
スミきらせて
マスミの鏡を つくりあげた
スミの MAGICIANS
スミノエの神と Mr. SMITH
古代金属製錬技術者たちの ものがたり
Mair論文などを翻訳
①「古代漢語MYAG、古代ペルシャ語MYGUSと英語”magician”」 Victor H. Mair著。イズミ オキナガ・鴫原佑治 共訳。1995年1月印刷。(当時、鴫原氏は富山外專中国語専修コース在籍中)
②「古代漢語の中のインド・ヨーロッパ語彙…新石器時代における漢語および中華文明の発生にかんする新テーゼ」張聡東著。イズミ オキナガ編訳。1994年1月印刷。もと、Mair教授の主宰するシノ・プラトニック ペーパーズ第7号(1988.1)として発表されたもの。張氏は、「Minnan[閩南]起源の台湾方言を話す中国人で、経済学とシナ学の博士号をもつ」…「B.C.3千年紀、東西民族文化の接触による混血児として古代漢語がうまれ、中華文明がうまれた。だから漢語にはインド・ヨーロッパ語の語幹がたくさんふくまれている」と指摘する(<訳者まえがき>より)。
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