Mair 論文
1991年に発表した「コトダマの世界」のサブタイトルを「象形言語説の検証」としました。しかし、この検証作業は主として日本語と中国語についておこなったもので、英語音との比較は、ほんのフロクていどのものでした。
日漢英s-m音語の基本義をさぐる
1992年から{s-m音語}に取りくみ、3年連続で中国語学会で発表させていただきました。1992.10.「スム[住・澄]・シム[染・占・滲]考」中国語学会42回大会。姫路獨協大学。
この学会(都立大学)の直前9月、大阪の民族学博物館でひらかれた国際シナ・チベット言語学会の会場で、たまたまアメリカのⅤ. .H. Mair教授(ペンシルバニア大学、デユーク大学から交換教授として京都大学に在籍中)を紹介され、イズミから「研究発表要旨」をお渡ししました。10月にいただいた手紙で「インド・ヨーロッパ語の語源研究には、A. H. D.のフロク『インド・ヨーロッパ語の語根と派生語一覧』を利用するのが一番便利」と助言されました。あわせて、論文2編を贈られました。
「スミ・シム・SMITH」を刊行
第1部 {s-m}音語論議の経過。
第2部 {s-m}音語の背景と系譜
第3部 {s-m}音のコトバ
付表・付図・資料 A4判、148ページ。
フイゴで スミ火を おこし
イシを ふかし
メロメロに とかし
スミを イシに スミこませ
シミこませ
スミきらせて
マスミの鏡を つくりあげた
スミの MAGICIANS
スミノエの神と Mr. SMITH
古代金属製錬技術者たちの ものがたり
Mair論文などを翻訳
①「古代漢語MYAG、古代ペルシャ語MYGUSと英語”magician”」 Victor H. Mair著。イズミ オキナガ・鴫原佑治 共訳。1995年1月印刷。(当時、鴫原氏は富山外專中国語専修コース在籍中)
②「古代漢語の中のインド・ヨーロッパ語彙…新石器時代における漢語および中華文明の発生にかんする新テーゼ」張聡東著。イズミ オキナガ編訳。1994年1月印刷。もと、Mair教授の主宰するシノ・プラトニック ペーパーズ第7号(1988.1)として発表されたもの。張氏は、「Minnan[閩南]起源の台湾方言を話す中国人で、経済学とシナ学の博士号をもつ」…「B.C.3千年紀、東西民族文化の接触による混血児として古代漢語がうまれ、中華文明がうまれた。だから漢語にはインド・ヨーロッパ語の語幹がたくさんふくまれている」と指摘する(<訳者まえがき>より)。